大きな忘れ物 | ドクター鈴木・あめぶろ研究室

大きな忘れ物

 いよいよ新しい我が家が99%完成だ。25日月曜日に住宅会社から家を受け取ることになった。もっとも今月はお彼岸の月でもあるし、なんだかんだで忙しいので、10月1日を引越しの日としている。つまり、あの火事から16ヶ月間不自由な生活をした、ということになる。人生は長いようだが、それでも、私の人生の2%近くを占める計算になるのか。


 新居の工事はあとはほんのわずかに外回りの部分が残っている。引越しをした後でも出来るだろう。内部は完成している。


 はずであった。


 いやうっかりしていた。電話工事の依頼を忘れていたのである。平日の工事は私が有給取れない状況なので勢い土曜日、10月7日の工事だそうだ。引っ越して一週間電話が無いが、今までの仮住まいも半月だけ「片付けと掃除」名目で借りておくので、そこのコードレスで新居の電話をまかなう予定だ(一応ザーザー言うが電波は届くみたい)。もっともこのごろは何でもケータイ電話で済ませているから、要は「ネットだけ出来るようになってほしい」わけで、工事が遅れるついでに「ひかり電話」に加入することにした。


 娘が小学校に入学したとき実家で買っていただいたピアノ(結構高級品で、消音してヘッドホンで聞くことが出来るやつ)もピアノ保管専門業者に預けておいたものを10月1日に戻してもらうことにした。消防の放水を浴びたために、内部に若干カビがあるらしいが、仮置き中も半年に一度の調律を欠かさずに管理したから、音のほうはそんなに大きな被害を受けていないかもしれない(カビの問題は調律士から指摘されているのだが状況がわからなくてやきもきしている)。


 そんなわけで、25日に引渡しが出来るように、今朝、住宅会社に工事代金の残金(の一部)を振り込んだ。一度札束を拝んでおきたかった(もう生涯そんな金額の金は見ることがないだろうから)と思ったのだが銀行窓口で「いきなりそんな大金引き出されても現生の用意がない。振込みにして頂戴」といわれ泣く泣く断念。通帳を見たら本当に残り少ない(さらに足りない金額のローンが始まるのだ、第1回の引き落としは10月2日らしいぞ・・・)。がんばって働くぞ!と意気込む。


 はずであった。


 銀行が閉まる直前、住宅会社から電話があった。「あ、お代は予定通り振り込みましたよ。多かったら返してね!」とのんきな私。電話口で先方が、「火災保険・家財保険・地震保険の掛け金が振り込まれていませんよ!忘れてたでしょ!」と。


 ということで、今日二回目の銀行。さらに通帳から多額の金額が消えて住宅会社(系列の保険代理会社)口座へ。


 はぁ。今日一日で何千万動かしたんだろ、私。現生を一度も見なかったのであまり実感はないのだが、通帳だけはなまめかしくその結果を記録している。ではそういうことで。