お見舞い | ドクター鈴木・あめぶろ研究室

お見舞い

 入院中の女房を訪ねて、子供たちを「疎開先」の実家から受け取って病院に向かった。火曜日に入院して以来久しぶりなので、娘は会う前から目がウルウルしていた。気持ちは良くわかる。


 女房の病名や詳しいことは良くわかっていないが、目の裏(鼻の奥)にポリープができていた。それを切除するという手術を受けた。


 目の奥、と聞いたときには驚いたが、鼻の穴から内視鏡のようなものを使ってやる手術で、手術としてはそんなに大変なものでは無いらしい。「蓄膿症の手術と同じような感じと理解してください・全身麻酔でやるので寝ている間に終わります」と主治医はおっしゃっていたが、私は子供の頃知り合いのお兄さんが蓄膿症の手術を受けて(当時は上唇の裏側から顔を切り開いて行う大掛かりな手術だった)いたので、蓄膿症の手術というと結構大変なもの、というイメージがあった。だからいくら「内視鏡で寝ている間」でも私だったらイヤだといったかもしれない。しかも「顔」をいじられるわけだから女性としては大変な決心が必要だったに違いない。手術を受ける決心をした女房は凄いなあ、と感心している。


 昨夜から彼女のケータイからのメールが届くようになり順調に回復しているのは把握していたが、なかなか病院の指定の面会時間にはいくことができなくて、ついつい今日にずれ込んでしまった。昨夜彼女からのメールが強烈だったので、今日は面会時間開始と同時に病院に駆け込むような時間配分で向かったのだ。昨夜のメールにはこう書いてあった。


 他のベッドの方はだんなさんとかお見舞いに来てくれているのに私のところにはあんたは来てくれない。もう、私は独身です、って病室のみんなに言おうかしら!


 ということなので、結婚はしているし実は中学生になる娘もいるのだ、ということを相部屋の人に知らせる意味もあって、今日こそは見舞いに行かなければならなかったのだ(泣)。


 病室では彼女は鼻に大きなガーゼをあてて寝ていた。私たちの姿を見るや否や「手術後、麻酔から醒めたときには痛かったがその後痛みは少ない。点滴も終了。ただし、ポリープを除去した部分と思うが鼻血が止まらなくてとても息苦しい。」と訴えた。その後子供たちと話しているとだんだん気持ちが落ち着いてきたのか、冷静に話ができるようになってきた。


 何をおいても、女房にとっては子供たちが最良の薬だったのかもしれない。もっと早く連れて行ってやればもっと早く治ったのかもしれなくて申し訳なく思ったりした。


 一般的にこの手術は、術後一週間から10日ぐらいで退院できるのだという。彼女は、「8月いっぱいに退院して2学期からは自宅で」ということをもくろんでいたようだが、少し回復が遅いようで(って何しろ若くないんで・・・ぼか!←殴られる音)、退院は9月にずれ込むかもしれない。


 娘が、「大丈夫だよ、新学期始まってもちゃんと自分で学校行けるし。ちゃんと治ってから戻ってきて」と。お姉ちゃんだなあ、よく言った。こういう経験も重要だったのかもしれない。女房の病気をダシにして恐縮だが。


 明日の日曜日も弁当持参で朝から病院に詰めていようと思う。他の患者さんに迷惑にならない範囲で。ではそういうことで。